JaSST Tohoku実行委員ブログ

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ソフトウェアテスト勉強会〜テスターと創る開発現場〜

10月29日(土)に「ソフトウェアテスト勉強会~テスターと創る開発現場~」として、@miwa719さんをお呼びして、テスターやチームについてお話しいただきました。

今回は、組込みシステムの開発チームで一緒にお仕事をされている、dRubyで有名な@m_sekiさんにも
お越しいただき、豪華二本立となりました。

参加人数は16人で、仙台以外からの外部参加者がとても多く、また、テスターが多いという勉強会となりました。

最初は@m_sekiさんのお話で、チームに新しく新人とテスターがやってきた場合、テスターの方が、バグが多様化したというお話をしていただきました。

この、新しく来たテスターが@miwa719さんということで、ここから@miwa719さんのお話が始まりました。

@miwa719さんがいるチームは、以下のようなチームらしいのですが、未だにそんなチームが存在するのか半信半疑です。

@miwa719さんがいるチーム・・・
開発とテスターが分かれておらず、開発者もこんなにテストするのかというようなチームであり、常に、雑談レベルでも、対象の製品についての話が行われ、誰かが困っていたら、すぐに声を掛け合うような状態のようです。
課題や問題を担当者だけのものとせず、自分ならどうするか、現在どうあるべきか自分の問題としてその課題等に向き合う風土ができているとのこと。

どうしたら、このようなチームが出来上がるのかとの質問には、チーム創設当時、問題意識を持ったチーム員が多くいたこと、問題解決のために専任を設ける体制が組めたことがあげられるとのことで、それなりの環境があったことが伺えました。

その後、@miwa719さんがどうテストしているかのお話が続きました。
基本はチケットにて管理しているそうです。
チケットにはテストケースがあり、それを元にテストを行うようです。
チケットに記載している内容が、わかりづらかったり、やたら長かったりと記載内容から、あやしい匂いがわかるらしいです。
担当者の顔色だったり、声のトーンも気にしているようです。
その他、仕様の変更が多かったり、揉めていたのに急におとなしくなったりと、その時の状況もおかしさを見つけるヒントになるそうです。
テスターにかかれば、どうあってもあやしい匂いをかぎ分けられるとのことでした。

五感どころか六感もフル活用していれば、わかるとか。
ただただ、感心するとともに、「匂い」と表現するところに@miwa719さんのお人柄とテストに関するポジティブさを感じました。
私なら「臭い」と表現したくなりますので、まずはここから気持ちを改めないと、あやしいチケットを見抜けないのではないかと思いました。

より良い製品を作るための、チーム作りについてお話を聞くことができましたが、このようなチーム作りをすぐにするのは難しいと思いますので、まずは、できることから始めたいと思います。

できることは限られているので、私は、例えば、以下の2つぐらいからやれたらよいなと思います。

1.なんでも質問できる会議体を作る
 @miwa719さんのところでは、朝会の二次会なるものが存在しており、新人等が朝会で分からなかったところを聞いたりする場を設けているそうです。

 なんでも聞くことができる場は、それほどなかったりします。
 敢えて、会議体として設定しておけば、何でも聞くことができる雰囲気が出来上がっていくのではないかと思います。

2.製品をよくしたいという目的を共有する
 製品をよくするというのは、当たり前のことなのですが、チームが細分化されたりすると、自分のチームの担当部分に注力し、他のチームとの連携に関しては、責任の押し付け合いになったりして、うまくいかなくなることもしばしば・・・。
 
 よく出てくる「3人のレンガ職人」の話のように、目的が違えば、作業のやり方も変わってくるのではないでしょうか。
 製品をよりよくしたいという、目的をいつも共有できていれば責任の押し付け合いではなく、うまく連携できた作業ができるのではないかと思います。


ソフトウェアテスト勉強会に参加されているみなさんのお悩みとして、新たなテスト技法をチームに浸透させたいと思っても、チーム内の雰囲気が良くないと、うまくいかないことも多いかと思います。
そんな問題を、今回のお話からヒントを得ることができました。

詳しくは、こちらでご確認ください。
わたしたちの開発現場 // Speaker Deck




@m_sekiさん、@miwa719さん本当にありがとうございました。

(竹内)