JaSST'2018東北の題材選び
めっきり寒くなりました。体調を崩されていないでしょうか。
今回は、JaSST'2018東北で開催したHAYST法ワークショップの題材選びに苦労した話をしようかと思います。
実際の本会では、「キッズ携帯」を題材にHAYST法を実施したのですが、そこまでの道のりがなんとも遠かった。
HAYST法の内部勉強会とその題材については、過去のブログにも記載してますので、そちらをご覧ください。
Whom問題がワークショップの題材の課題
JaSST'2016東北ではVSTePを題材に実施したのですが、この時は、内部勉強会で使った題材が午後いっぱいのワークの時間にぴったりで、すんなり決まったのです。なので、ワークの題材選びが難しいということを、全然気づかないままHAYST法について勉強しはじめました。
JaSST東北の参加者に何を持ち帰って欲しいかについて、意見交換したところ、実行委員全員が、HAYST法のWho(お客さま)だけでなく、Whom(お客さまのお客さま)にも価値あるソフトウェアを届ける、そのためのテストを実施する。
このことを、ぜひJaSST東北へ来た人にも感じて欲しい!と意見が一致し、Whomを考えてもらうことをワークに盛り込むことになりました。
重要ポイントとして置いたWhomを理解しようとしても、内部勉強会で使った題材(目覚ましアプリや自動販売機、ミュージックプレイヤー等)のためなのか、「Whomって誰?」「このソフトウェアを利用して間接的に有益になる人なんていないんじゃないの?」「Whomって自分?」という疑問を生む状態になり、秋山さんにWhomの質問を繰り返し行うようになりました。
本当に秋山さんにはご迷惑をおかけいたしました。
Whom問題が片付かないまま、ワークの準備はちゃくちゃくと進みました。付箋の色を変えようとか、時間内にワークが終わるような工夫をみんなで進めました。
しかし、ワークの題材はモヤモヤしたままでした。
ワークショップ専用のアプリ開発
ここで、JaSST東北のアドバイザーの方が長年の夢(?)という『合コンアプリ』を作ってほしいという話があり、できればこれをワークの題材にできないか…となったのです。
これは、JaSST東北の実行委員の中でもアプリ屋の自分の出番だなと思い、アプリを作成することにしました。
スマホ用アプリとして作成していたのですが、Webアプリの方が簡単に触ることができるんじゃないかとのアドバイスもあり、Webアプリで作り直し、仕様書も作りました。
作っている最中に、このアプリ…HAYST法の半日ワークショップには軽すぎるのでは?という思いがありました。しかし、良い題材がないのも事実だったので、最後まで合コンアプリを作成することにしました。
プレワークショップで転機が…
そして、この合コンアプリの仕様書を用い、 株式会社ヴェスさんで、プレワークショップを実施しました。
本来は、アプリも触ってもらう予定でしたが、作ったファイルが壊れてしまい、仕様書のみでの実施になってしまったのは、申し訳なかったです…。
ワークを実施した後に、参加者の方々に感想を伺ったところ、「合コンアプリということもあり、シチュエーションが限定されてしまい、限定した使い方しか思いつかなかった。でも、Whomはわかりやすかった。」とのコメントをいただきました。
このヴェスさんでのワークが転機でした!本当にHAYST法の成功はヴェスさんなしでは語れません!!本当に感謝しております!!!
この時、Whomがわかりやすい題材を選ぶことがワークの成功につながるだろうと思いました。それでいて、シチュエーションを限定しないもの…。
こう思い至ったのは、5月末の本会を目前に控えた3月末のことでした。
日々の生活にヒントが隠されている
ワークにいい題材はないかを考える日々。その思いが届いたのかわかりませんが、とある人との何気ない会話が、ヒントになりました。
「息子が中学生になるから、キッズ携帯からスマホに変える手続した」
あれ?キッズ携帯って、Whomわかりやすくないか?シチュエーションも限定しないし、題材として最適ではないだろうか。
ワークショップの題材作成
「キッズ携帯はワークの題材としてよいのではないか」と当時の委員長へ伝えたところ、「じゃぁ、仕様書作ってよ」とあっさり言われました。
まてまて、アプリを実質2回作って、その仕様書も作って十分貢献したつもりなんですけど…。
そうは言っても、本会のワークの成功の方が大事だと奮起し、午後いっぱいのワークのボリュームを考え、キッズ携帯も現在はスマホ型が主流だけど、機能を限定するために、ガラケー仕様としました。
ガラケーもボタンが複数ありますが、それも最低限の機能としてボタンの数を減らしたり、日本国内でしか使えないようにと機能をできるだけ絞ったり、日本の子供の人数を調べ、その何%がこのガラケーを持つようなシステムを目指すかと目標値も考えたりと一気にワークに最適になるよう仕様書を作成しました。
このキッズ携帯の仕様書ができたのが4月中旬で、秋山さんを迎えた内部勉強会で初めてお披露目し、実行委員からもWhomがわかりやすいとの意見をいただきました。
そうして、これが本会のワーク題材になりました。
本会の成功を皆と共有したい
本会は大成功となり、とても充実したものとなりました。
この充実感を他の実行委員にも味わって欲しい!!
というわけで(?)、JaSST'2019東北にむけ、実行委員全員で毎日題材を考える日々を送っております。
実行委員内部では、アイツがアクセル全開で今年の準備も大変だとか言われていますが、皆にいつもの倍の充実感を味わってほしいだけです。昨年の恨みとかじゃないですよψ(`∇´)ψ
そんな感じで、今年のJaSST東北も参加者の方に楽しんでいただけるように、準備しておりますので、ぜひ2019年5月31日(金)はご参加ください。
(JaSST東北 実行委員 竹内)