JaSST Tohoku実行委員ブログ

JaSST Tohoku実行委員のあれこれを載せていきます、たぶん、きっと。

SaPID+とVSTePの共通点

今回のJaSST東北実行委員会ブログを担当します、リリカルこと@mhlycです。
 
JaSST東北実行委員会では「VSTePチュートリアル」というコンテンツを提供しています。
VSTePとは、質の高いテストを行うためのテスト開発方法論です。詳しくは以下のページに資料が掲載されています。
私もVSTePについては個人的に勉強しているところです。

SaPID+ bootcampに参加してきました 

ところで私は、先月2月25日〜26日に神奈川 三浦海岸にて開催されたSaPID+ bootcampというイベントに参加してきました。
SaPIDとは自律型プロセス改善手法であり、SaPID+にはさらにSaPIDを拡張した内容も含まれています。
SaPID+ bootcampは、温泉リゾートに泊まり込み、SaPID+ の「STEP0:テーマ共有~STEP3:問題分析・構造化+α」に集中して”がっつり”取り組むという、内容盛りだくさんの合宿形式のワークショップです。充実した内容で、とても勉強になりました。
 
さて、SaPID+ bootcampに参加してみて私は「SaPID+とVSTePにはいくつかの共通点がある」と感じました。ここでは、私が思うSaPID+とVSTePの共通点を紹介してみようと思います。(私見ですので、誤りを含んでいるかもしれません)

私の思うSaPID+とVSTePの共通点  

  • メンバー同士の対話を大事にする。言葉で共通認識を作ることにこだわる。
  • 成果物(VSTePで言えばテスト観点図、SaPID+で言えば問題構造図)を作ることが目的ではない。本当の目的は、成果物を作る過程で議論して頭を使うこと(後述します)。また、そのような場を作ること。 
  • 外から成果物だけを持ってくることを良しとしない。成果物の押し付けでは自分たちの"納得感"や"所有感"がなくなってしまうため、自分たちで作ることを大事にする。
議論して頭を使い、成果物を作る 
「普段の業務においても、頭を使って成果物を作るだろう」と思われるかもしれません。VSTePに関していえば、実際の現場においてVSTePそのものはやったことがなくても、テスト計画や方針を話し合う場などで議論をする場は設けられていることもあります。
VSTePやSaPID+で「議論して頭を使う」という部分を強調しているのは、そのプロセス(何をテストしたいのか?/自分たちは何に困っているのか? を深く考えて議論する)というプロセスをもっと増やしたい/もっと効果的にやりたいからです。そういった意味で、成果物を作るということ自体が目的なのではなく、しっかり頭を突き合わせて議論すること、テスト観点や問題についてもっと深く考えてみる(=頭を使う)こと、その場を作ることを目的としています。
方法論と聞くと普段の業務でやっていることと離れていると思われるかもしれませんが、議論などの活動の形態が異なっているだけで、似たようなことをしている現場はあると思っています。ただそれを体系立てて進めたり、成果が出やすい進め方にするための工夫がVSTePやSaPID+ には盛り込まれています。
 
VSTePがテスト開発方法論なのに対し、SaPID+は自律的プロセス改善手法です。また、成果物を構成する要素が「テスト観点(テストしたいこと)」なのか「問題(困っていること)」なのかという点でも違いがあります。それでも、根本的なところで大事にしているポイントは似通っているように感じました。
 
色々な手法が提案され使われている昨今ですが、それぞれの手法の使い方や利点、使い所などを比較して考えてみるのも、手法を理解して有効に活用するための手がかりになるかもしれないと思いました。